第106回薬剤師国家試験

◆ 問115

糖及び糖鎖に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース1−リン酸が生じる。
  • 哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N−結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。
  • A 型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。
  • CHO 細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。
  • ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。

◆ 問115

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


1 誤
グリコーゲンは、グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により加リン酸分解されてグルコース1−リン酸を生じる。

2 誤
哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N−結合型糖鎖は主としてアスパラギン酸残基に付加される。

3 正
A型インフルエンザウイルスは、そのエンベロープに突出しているHA(ヘマグルチニン)が宿主細胞膜に存在するシアル酸と結合することにより宿主細胞に取り込まれる。

4 誤
CHO 細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、不均一で、ヒト由来のものと微妙に異なるため、ヒト体内で抗原性を示すことがある。

5 正
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は、ウロン酸とアミノ糖の繰り返し構造を有するグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖)であり、構造中にカルボキシ基や硫酸基による多くの負電荷を有する。