第106回薬剤師国家試験

◆ 問162

抗血栓薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ダルテパリンは、アンチトロンビンと複合体を形成して第 Xa 因子よりもトロンビンを強く阻害する。
  • アルガトロバンは、アンチトロンビン非依存的にトロンビンのセリンプロテアーゼ活性を可逆的に阻害する。
  • ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。
  • トロンボモデュリン アルファは、プロトロンビンに結合してプロテインCを活性化する。
  • チカグレロルは、ADP 結合部位とは異なる部位に結合してADP P2Y12 受容体を選択的かつ可逆的に遮断する。

◆ 問162

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


1 誤
ダルテパリンはヘパリンに比べ、糖鎖が短く、本薬と結合したアンチトロンビンは、トロンビンよりも第 Xa 因子を強く阻害する。

2 正
アルガトロバンは、アンチトロンビンを介さず直接トロンビンの作用を抑制し、フィブリン生成や血小板凝集を抑制する

3 誤
ウロキナーゼは、プラスミノーゲンを活性化してプラスミンを産生することによりフィブリンの分解を促進する。フィブリンとの親和性が低いため、血栓内だけでなく血中のプラスミノーゲンにも反応するため、副作用として出血を起こしやすい。

4 誤
トロンボモデュリン アルファは、トロンビンに結合してプロテインCを活性化する。その結果、第Va因子、第Ⅷa因子を不活性化し、トロンビンの産生を抑制する。

5 正
チカグレロルは、ADP 結合部位とは異なる部位に結合してADP P2Y12 受容体を選択的かつ可逆的に遮断し、抗血小板作用を示す。