第106回薬剤師国家試験

◆問324-325

震度7の地震が発生した。避難所では、臨時の診療所が開設されており、薬剤師が災害救助要員として参加した。この地域では、吐き気や咽頭痛の症状と共に微熱や悪寒がみられるというウイルス感染症が流行し始めていた。この感染症について、避難者の間ではSNS(Social Networking Service)などで、不正確な感染対策の噂が広まっていた。

◆ 問324

避難者から「感染対策について色々な噂を聞いて不安になった」と相談を受けた薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
  • 現時点で判明していること、していないことを整理して伝えた。
  • 薬剤師は法的に薬に関する相談以外には答えることはできないと伝えた。
  • 避難者が聞いた噂や不安になった理由について傾聴した。
  • 避難者が不安になった理由について他職種と共有した。
  • これからも不安なことがあれば遠慮なく相談して欲しいと伝えた。

◆ 問325


◆ 問324

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


災害時の避難所における薬剤師の役割として、一般用医薬品の保管・管理及び供給、医薬品や健康に関する相談活動、衛生管理及び感染対策などが挙げられる。
災害時はSNSを介して不正確な噂が広まりやすいため、噂を聞いて不安になった避難者に対しては、不安になった理由を傾聴し、公的機関の発信する情報などから噂の真偽を整理して伝え、不安を取り除くように対応することが望ましい。

◆ 問325

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


1 誤
グルタラールは人体に使用できない。

2 正
クロルヘキシジングルコン酸塩は、低水準消毒薬であり、エンベローブのないノロウイルスには無効である。

3 誤
メタノールは、皮膚からの吸収、吸入、誤飲により有害性(吐き気、めまい、意識障害、失明など)を示すため、手指消毒に使用できない。

4 正
ノロウイルス感染者が吐き出した物が床に付着した場合、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム含有)を使用して消毒することが有効である。

5 誤
石鹸(陰イオン性界面活性剤)とベンザルコニウム塩化物(陽イオン性界面活性剤)を配合すると、ベンザルコニウム塩化物による殺菌力が低下する。