第106回薬剤師国家試験

◆ 問336

 成人になって気管支ぜん息を再発した患者に対して、フルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラーによる治療が、1年前に開始された。医師による診察前の薬剤師外来で、「ぜん息症状のコントロールはできているが、しゃがれ声がだんだんひどくなってきた。」と相談を受けた。吸入後のうがいはしっかりとできていることから、副作用軽減のために、医師に処方変更を提案することになった。提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • プレドニゾロン錠
  • プロカテロール塩酸塩水和物錠
  • ツロブテロール経皮吸収型テープ
  • チオトロピウム臭化物水和物吸入用カプセル
  • フルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール吸入用

◆ 問336

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


患者が「しゃがれ声がだんだんひどくなってきた。」と相談してきていることから、副腎皮質ステロイド吸入剤の副作用である嗄声が起こっていると推察される。うがいがしっかりできていることや、ぜん息コントロールが良好であることから、薬剤の変更をせず、吸入デバイスの変更を提案することが適切であると考えられる。

なお、吸入ステロイド剤の気道から肺への到達度は粒子径に大きく影響され、吸入粉末剤に比べてエアゾール剤は粒子径が小さく末梢気道まで到達しやすい。そのため、本症例ではフルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラーをフルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール吸入用に変更するよう提案する。