第106回薬剤師国家試験

◆ 問338

75歳男性。PS1、HER2陰性、切除不能進行・再発胃がんに対して一次治療としてカペシタビン+シスプラチン併用療法を施行するも無効であった。二次治療としてイリノテカン単独の化学療法を行うことになった。外来化学療法を受ける患者に対する薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 本剤単独療法の期待される効果について説明を行った。
  • 薬物の溶解液に高濃度のエタノールが含まれているので車の運転は控えることを指導した。
  • UDP-グルクロン酸転移酵素の遺伝子多型により腎機能障害の発現に違いがあることを説明した。
  • 本剤単独療法では遅発性副作用のみ報告されているため、副作用の詳細について化学療法施行後に説明した。
  • 本剤単独療法の重篤な副作用は下痢と骨髄抑制の報告が多いことを説明した。

◆ 問338

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、5


1 正

2 誤
イリノテカンの点滴静注用製剤には、エタノールは含まれていない。

3 誤
UDP-グルクロン酸転移酵素の遺伝子多型によりUGT1A1の低下した患者では、SN-38(イリノテカンの活性代謝物)の代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されている。

4 誤
イリノテカンは副作用として早発型の下痢(コリン作動性の下痢)と遅発型の下痢(SN−38による腸管傷害による下痢)を起こすことがある。

5 正