第107回薬剤師国家試験

◆問133-135

自宅の寝室で倒れている男性が救急搬送された。簡易検査の結果をもとに、直ちに対応する解毒薬が投与された。一方、寝室にはコップの中に大量の錠剤が沈んだ飲料水が残されていた。

◆ 問133

錠剤の成分が何かを調べるため、コップの中に残された薬剤に適切な処理をしたのち、1H NMRスペクトル(CDCl3溶媒中)を測定した。得られたスペクトルをデータベースと照合したところ、図に示したチャートとシグナル及び積分値が一致した。錠剤の成分として推定される医薬品Aの構造はどれか。1つ選べ。ただし、図はTMSを基準(0ppm)とし、シグナルを積分曲線と共に示したもので、×は重溶媒中に微量に含まれるCHCl3のシグナルである。

107回問133-135画像1

107回問133-135画像2

◆ 問134


◆ 問135


◆ 問133

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


積分曲線の高さは、各シグナルを与えるプロトンの数に相当する。設問の図には3つの高さの積分曲線があり、高さが低いものから1H、2H、3Hに相当すると考えられる。

107回問133-135画像1

2.6ppm付近の3H分のシグナルが一重線であることからメチル基によるシグナルであると考えられる。このことから構造中にメチル基がない選択肢4、5は除外される。また、積分曲線より構造中に12個のプロトンがあると推察されるため、選択肢1が医薬品Aの構造であると推察される。

◆ 問134

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


医薬品Aはトリアゾラムであり、麻薬及び向精神薬取締法において、第3種向精神薬に分類されている。

◆ 問135

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


ベンゾジアゼピン系向精神薬の解毒には、フルマゼニルが用いられる。