第108回薬剤師国家試験

◆ 問105

以下の構造式で表されるダイゼインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
108回問105画像1
  • カッコンに含まれる成分の一つである。
  • A環の炭素原子は、シキミ酸由来である。
  • 2-フェニルクロモン骨格を有している。
  • ヒトに対してエストロゲン様作用がある。
  • マグネシウム-塩酸反応で陽性を示す。

◆ 問105

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


ダイゼインは、イソフラボンの一種です。ダイゼインやゲニステインのような他のイソフラボン化合物は、クズや大豆などの植物やハーブに存在しており、大豆製品のような食品にも存在しています。
多くのイソフラボンは、動物とヒトのエストロゲン受容体に作用することが知られており、それゆえフィトエストロゲンとして知られています。


正:「カッコンに含まれる成分の一つである。」
ダイゼインはカッコンに含まれる成分です。イソフラボノイド骨格を有しています。イソフラボノイドはヒトに対して、抗酸化作用やエストロゲン様作用があります。


誤:「A環の炭素原子は、シキミ酸由来である。」
イソフラボノイドはシキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路由来の複合経路で生合成される構造です。A環の炭素原子は酢酸-マロン酸経路由来です。シキミ酸由来ではありません。


誤:「2–フェニルクロモン骨格を有している。」
3-フェニルクロモン骨格が正しい記述です。


正:「ヒトに対してエストロゲン様作用がある。」
上記の解説より正しいです。


誤:「マグネシウム-塩酸反応で陽性を示す。」
フラボノイドの確認試験の記述です。フラボノイドは呈色されません。