第108回薬剤師国家試験
◆ 問116
リソソーム及びプロテアソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。
-
エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。
-
プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。
-
プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。
-
プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。
◆ 問116
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:3、4
誤:[リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。]
リソソームは、内部が酸性の細胞小器官であり、様々な加水分解酵素を有する。
誤:[エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。]
プロテアソームに関する記述である。プロテアソームは、ATP依存的にタンパク質の分解に関与する。
正:[プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。]
プロテアソームは、細胞内で不要なタンパク質を分解するための大型のタンパク質分解酵素であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。
正:[プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。]
ウイルスは、宿主細胞に感染すると、自己の遺伝情報を宿主細胞の核内に取り込み、増殖に必要なタンパク質を合成する。プロテアソームは、ウイルス感染の際、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質を分解することに関わる。
誤:[プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。]
オートファジーとプロテアソームは、細胞内でタンパク質を分解する機構であるが、異なるメカニズムで機能する。プロテアソームは、ポリユビキチン化された不要なタンパク質を分解する。それに対して、オートファジーでは、オートファゴソーム内にリソソームを取り込むことで、細胞内の古い、損傷した、不要なタンパク質や細胞小器官を分解する。