第108回薬剤師国家試験

◆ 問122

下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率(人口10万対)の年次推移を示したものである。部位a~eの悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
108回問122画像1
  • aは大腸である。
  • bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。
  • cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。
  • dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。
  • eは肺である。

◆ 問122

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


本問の図は「粗死亡率」であることが注意点です。粗死亡率は、(死亡数÷人口)×1000で示される指標です。
男性に注目すると、かつて胃がんが1位で、現在は肺がんが1位です。a が 肺がん、b が胃がんと考えられます。また、大腸がんが増加して上位になっていることが特徴なので、d は大腸がんです。もう1つ増加している e は膵臓がんです。以上をふまえ、各選択肢を検討します。

誤:[aは大腸である。]
a は肺がんです。大腸がんではありません。

正:[bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。]
胃がんのリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられます。

誤:[cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。]
c は肝臓がんで、肝炎ウイルス感染との混同を狙った記述と思われます。

正:[dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。]
大腸がんのリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足、肥満があげられます。

誤:[eは肺である。]
e は膵臓がんです。肺がんではありません。