第108回薬剤師国家試験

◆ 問129

食品中の発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • サイカシンは、β-グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す。
  • アフラトキシン B1は、シトクロム P450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。
  • Trp-P-1 は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する。
  • ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する。
  • ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。

◆ 問129

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


誤:[サイカシンは、β-グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す。]
サイカシンは、自然毒の一種です。ソテツに含まれます。水にさらすと除去できるという特徴があります。サイカシンは、体内でβ–グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じます。β-グルクロニダーゼではありません。選択肢1は誤りです。

正:[アフラトキシンB1は、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。]
ベンゾ[a]ピレンおよびアフラトキシンB1に共通する代謝的活性化反応として、エポキシ化をおさえておくとよいです。

誤:[Trp-P-1は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する。]
Trpが、トリプトファンの略です。そこから「核酸」ではなく「アミノ酸」と判断できるのではないでしょうか。

誤:[ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する。]
ベンゾピレンは、炭化水素化合物の不完全燃焼により生成されます。食品中アミノ酸由来ではありません。

正:[ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。]
ジメチルメトロソアミンについての記述です。

それぞれの構造について、以下まとめておきます。対応をある程度判断できるとよいです。

以上より、正解は2,5です。