第108回薬剤師国家試験

◆ 問133

毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。
  • 反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD50)を求めることである。
  • 化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。
  • 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。
  • 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。

◆ 問133

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


誤:[食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。]
単回投与毒性試験は申請に要求されません。食品添加物として申請される物質が想定されるのは「継続的摂取」です。そのため反復投与毒性試験等が要求されます。

誤:[反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD50)を求めることである。]
反復投与毒性試験の目的は、無毒性量 (NOAEL) あるいは最小毒性量 (LOAEL) を決定すること等です。LD50 を求めるのに利用されるのは単回投与毒性試験です。

正:[化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。]
正:[食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。]

誤:[発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。]
閾値が存在しない遺伝毒性発がん物質等の毒性に対し、生涯にわたり摂取した場合のリスクが、許容できるレベルとなるようなばく露量である「実質安全量」を、発がん性試験では、目標値として評価します。従って、試験は「生涯にわたり、長期的に」行います。(CBT 対策 no126)。「90 日間における腫瘍発生の有無」ではないと考えられます。