第108回薬剤師国家試験

◆ 問138

水道水質基準の基準項目に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • テトラクロロエチレンは、フミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成する。
  • ブロモジクロロメタンは、臭化物イオンを含む水道原水の塩素消毒により生成する。
  • ジクロロ酢酸は、水道原水の塩素消毒によりジクロロメタンから生成する。
  • 2-メチルイソボルネオールは、藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。
  • 1,4-ジオキサンは、フェノール類を含む水道原水の塩素消毒により生成する悪臭物質である。

◆ 問138

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


誤:[テトラクロロエチレンは、フミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成する。]
テトラクロロエチレンは、ドライクリーニングなどで洗浄用途で用いられる物質です。使用店舗敷地から漏れたものと考えられる、地下水での検出事例があります。水道原水の塩素消毒により生成する物質ではありません。

正:[ブロモジクロロメタンは、臭化物イオンを含む水道原水の塩素消毒により生成する。]

誤:[ジクロロ酢酸は、水道原水の塩素消毒によりジクロロメタンから生成する。]
ジクロロメタンからではありません。

正:[2–メチルイソボルネオールは、藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。]
湖沼を水源としている水道水では、2–メチルイソボルネオールやジェオスミンによる異臭が発生することがあります。

誤:[1,4–ジオキサンは、フェノール類を含む水道原水の塩素消毒により生成する悪臭物質である。]
1,4–ジオキサンの由来は様々ですが、原水の塩素消毒ではなく、有機溶媒の添加剤や不純物としての混入などと考えられています。