第108回薬剤師国家試験

◆ 問161

利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。
  • トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。
  • インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。
  • エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。
  • アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。

◆ 問161

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


誤:[トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。]
 トリアムテレンは、集合管及び遠位尿細管のアミロライド感受性Naチャネル(上皮型Naチャネル)を遮断し、二次的にNa/KATPaseを抑制することで管腔へのKの排出を低下させる。

正:[トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。]
 トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで水の排泄を増加させる。

誤:[インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。]
 インダパミドは、有機アニオン輸送系により近位尿細管腔に分泌され、遠位尿細管前半部のNa−Cl共輸送系を抑制し、Naの再吸収を抑制する。

正:[エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。]
 エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断し、Na/KATPaseを阻害することでNaの再吸収とKの排泄を抑制する。

誤:[アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。]
 アゾセミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa-K-2Cl共輸送体を阻害することで、Naの再吸収を抑制する。