第108回薬剤師国家試験
◆ 問170
薬物のリンパ系への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。２つ選べ。-
消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全身循環系に到達する。
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リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。
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毛細リンパ管内皮細胞は密着結合を形成しているため、分子量の小さい薬物の方が透過しやすい。
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皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しにくい。
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リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て肺動脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。
◆ 問170
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：1、2
正:[消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全身循環系に到達する。]
正:[リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。]
誤:[毛細リンパ管内皮細胞は密着結合を形成しているため、分子量の小さい薬物の方が透過しやすい。]
誤:[皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しにくい。]
皮下投与や、筋肉内投与を行った薬物は、分子量が 5000 以上になるとリンパ管系へと移行する傾向が見られます。従って「分子量の小さい薬物の方が透過しやすい」というのは誤りです。また、抗体医薬品は一般的に分子量がかなり大きく、移行しやすいと考えられます。
誤:[リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て肺動脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。]
胸管を経て「静脈」に入ります。肺「動脈」ではありません。
