第108回薬剤師国家試験

◆ 問180

日本薬局方における注射剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 非水性溶剤として、ダイズ油を用いることができる。
  • 水性溶剤は、エンドトキシン試験法と発熱性物質試験法の両方に適合する。
  • 等張化剤として、ホウ酸を加えることができる。
  • 乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する。
  • 埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物を用いる。

◆ 問180

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、5


正:[非水性溶剤として、ダイズ油を用いることができる。]

誤:[水性溶剤は、エンドトキシン試験法と発熱性物質試験法の両方に適合する。]
「エンドトキシン試験法、困難な場合に、発熱性物質試験法でもよい」という記述は過去問演習で見慣れておきたい内容です。これを思い出し、水性溶剤なら、「両方」に適合、つまり両方の試験法を行うというのは、過剰であり誤りではないか、と判断したいところです。

誤:[等張化剤として、ホウ酸を加えることができる。]
102-344のホウ酸団子の話もふまえ、毒性を考えると注射剤には不適切ではないか、といった推測ができるとよいと思われます。ちなみにですが、点眼剤の添加剤に pH 緩衝剤として、ホウ酸が用いられることがあります。

誤:[乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する。]
製剤均一性試験とは、製剤中の主薬含量均一性を評価するための試験です。液剤・懸濁剤・乳剤 又は ゲルからなる局所皮膚適用製剤には用いられません。

正:[埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物を用いる。]
埋め込み注射剤は、長期にわたる有効成分の放出を目的として、皮下、筋肉内などに埋め込み用の器具を用いるなどして適用する、固体又はゲル状の注射剤です。