第108回薬剤師国家試験

◆ 問184

双極性障害の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 躁病相が認められない場合がある。
  • 睡眠障害が認められる。
  • 進行すると記憶障害が認められる。
  • 躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。
  • うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。

◆ 問184

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


誤:[躁病相が認められない場合がある。]
 双極性障害は、抑うつ状態と躁状態または軽躁状態(軽度の躁状態)が交互に認められる疾患である。

正:[睡眠障害が認められる。]
 双極性障害では、うつ病相で不眠(入眠障害、熟眠障害)、躁病相で睡眠時間短縮などが認められる。

誤:[進行すると記憶障害が認められる。]
 双極性障害では早い段階で認知機能障害が認められる。

正:[躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。]
 双極性障害における躁症状の改善に、オランザピン、アリピプラゾール、炭酸リチウムなどが用いられる。

誤:[うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。]
 双極性障害におけるうつ病相に三環系抗うつ薬(イミプラミンなど)を単独投与すると、躁転を起こすことがある。そのため、うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨されない。なお、双極性障害のうつ病相の治療には、オランザピンが用いられる。