第108回薬剤師国家試験
◆問208-209
68歳女性。切除不能の再発直腸がんに対して、カペシタビンとオキサリプラチン併用化学療法を開始することになった。外来化学療法室の薬剤師は、この患者にかかりつけ医から以下の薬剤が処方されていることを、お薬手帳より確認した。なお、以下の薬剤は全て化学療法開始後も継続することとする。

◆ 問208
◆ 問209
かかりつけ医から処方されている医薬品の構造を示す。その中でモニタリングすべき検査項目に関与する医薬品はどれか。1つ選べ。なお、本品の性状として、日本薬局方には「本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすい。」「本品は光によって淡黄色となる。」と記載されている。
◆ 問208
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:5
誤:[血清鉄]
誤:[尿酸]
誤:[血清カルシウム]
誤:[血清リン]
正:[PT-INR]
カペシタビン(ゼローダ)には、CYP2C9合成系に影響することによる、酵素活性低下にもとづくワルファリンカリウムの作用増強が知られています。従って、PT–INR値 に特に注意する必要があります。
メチルジゴキシンが使われているから、血清カリウム値にも注意は必要です。低Kの時、中毒を起こす恐れがあります。「化学療法の開始に伴い、・・・相互作用による、、、」とあるため、PT–INRが適切な選択肢です。
◆ 問209
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1
ワーファリンの構造を見抜けるか、という問です。クマリン部分に注目し、選択肢1と判断したい問です。
ちなみに
選択肢2は、カルベジロール
選択肢3は、ロサルタン
選択肢4は、スピロノラクトン
選択肢5は、ヒドロクロロチアジド
選択肢6は、メチルジゴキシン です。
以上より、正解は選択肢1です。