第108回薬剤師国家試験

◆問312-313

40歳男性。市販の咳止め薬の購入のため薬局を訪れた。男性は4つの製品のそれぞれの特徴について薬剤師に説明を求めた。
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◆ 問312


◆ 問313

この男性の症状やこれまでの製品の使用経験などから、製品Dの鎮咳去痰薬を販売することとなった。製品Dに関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 購入者が、他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。
  • 特定販売ができない製品である。
  • 販売者は、薬剤師に限られる。
  • 原則として一人一包装単位での販売となる。
  • 購入者は、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要がある。

◆ 問312

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


誤:[製品Aは、下痢症状があらわれることがあります。]
 製品Aに含有されるデキストロメトルファンは、鎮咳薬であり、副作用として下痢が現れるとの報告はない。

正:[製品Bは、2つの去痰成分を含んでおり、痰により引き起こされる咳症状に有効です。]
 製品Bに含まれるL-カルボシステイン、ブロムヘキシンは共に去痰薬である。

誤:[製品Cは、胃の粘膜を保護する成分も含んでいます。]
 製品Cに含まれるジプロフィリン、dl-メチルエフェドリンは気管支拡張薬、ノスカピンは鎮咳薬、ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬であり、製品Cには胃粘膜を保護する成分は含まれていない。

正:[製品Cは、動悸があらわれることがあります。]
 ジプロフィリン、dl-メチルエフェドリンは、心機能亢進作用を示すため、製品Cにより動悸が現れることがある。

誤:[製品Dは、解熱鎮痛成分も含んでいます。 ]
 製品Dに含まれるジヒドロコデインは鎮咳薬、グアイフェネシンは鎮咳去痰薬、クロルフェニラミンは抗ヒスタミン薬、無水カフェインは中枢刺激薬であり、製品Dには解熱鎮痛成分は含まれていない。

◆ 問313

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


正:[購入者が、他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。]
 濫用等のおそれのある医薬品を販売する際には、購入者が他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。

誤:[特定販売ができない製品である。]
 一般用医薬品(第1類医薬品、第2類医薬品(指定第2類医薬品を含む)、第3類医薬品)は、特定販売可能な医薬品であるため、製品Dは特定販売することが可能である。

誤:[販売者は、薬剤師に限られる。]
 第2類医薬品(指定第2類医薬品を含む)は、薬剤師または登録販売者が販売することが可能である。

正:[原則として一人一包装単位での販売となる。]
 濫用等のおそれのある医薬品は、原則として一人一包装単位での販売することとされている。

誤:[購入者は、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要がある。 製品Dには、ジヒドロコデインリン酸塩が含有されているため、「濫用等のおそれのある医薬品」に指定される。]
 一般用医薬品において、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要はない。