第108回薬剤師国家試験

◆問316-317

30歳男性。喫煙歴10年。1週間前から禁煙を決意し、自分でたばこをやめてみた。しかし、このまま禁煙が続けられるのか不安があり、薬局を訪れて薬剤師に相談した。
108回問316-317画像1

◆ 問316


◆ 問317

この男性と以下のやり取りをした後の、薬剤師の説明内容として正しいのはどれか。2つ選べ。
108回問316-317画像2
  • ニコチン製剤はニコチン離脱症状をやわらげることが期待できます。
  • ニコチンパッチ製剤を使用しながら段階的に喫煙本数を減らすことができます。
  • ニコチンパッチ製剤は、複数枚貼ることができるので、量を調節しやすいです。
  • ニコチンガム製剤とニコチンパッチ製剤を同時に使用することはできません。
  • 現在、一般用医薬品として販売されている禁煙補助剤はニコチン製剤とバレニクリン製剤があります。

◆ 問316

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


本症例では、患者はたばこを1週間前にやめており、禁煙をはじめた段階にあるため、行動変容ステージにおける「実行期」に該当すると推察される。そのため、薬剤師は、禁煙が継続できていることに焦点を当てて行動を強化するように働きかける必要がある。
108回問316-317画像1

◆ 問317

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


正:[ニコチン製剤はニコチン離脱症状をやわらげることが期待できます。]
 ニコチン製剤は、ニコチン離脱症状(イライラ、集中力の低下、落ち着かないなど)を緩和することが期待できる。

誤:[ニコチンパッチ製剤を使用しながら段階的に喫煙本数を減らすことができます。]
 ニコチン製剤を使用中に喫煙するとニコチンを過剰に摂取することになるため、ニコチン製剤使用中に喫煙することはできない。

誤:[ニコチンパッチ製剤は、複数枚貼ることができるので、量を調節しやすいです。]
 ニコチンパッチ製剤には、含量の異なる製剤が存在しており、用量調節する際には、用量の異なるものを1枚使用する。なお、ニコチンパッチ製剤を複数枚貼付するとニコチンの過剰摂取を起こすことがあるため、複数枚貼付することは推奨されていない。

正:[ニコチンガム製剤とニコチンパッチ製剤を同時に使用することはできません。]
 ニコチンガム製剤とニコチンパッチ製剤を同時に使用すると、ニコチンの過剰摂取を起こすことがあるため、両剤を併用することは推奨されていない。

誤:[現在、一般用医薬品として販売されている禁煙補助剤はニコチン製剤とバレニクリン製剤があります。 ]
 現在、一般用医薬品として販売されている禁煙補助薬はニコチン製剤(ニコチンパッチ製剤、ニコチンガム製剤)である。なお、医療用禁煙補助薬として、バレニクリン製剤が販売されている。