第108回薬剤師国家試験

◆ 問331

「緩和ケアチーム」に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • がん患者だけでなく、心不全患者の疼痛管理にも介入する。
  • 職種間で共有する痛みの評価法として、Visual Analogue Scale(VAS)、Numerical Rating Scale(NRS)等は有用である。
  • がん治療の開始とともに早い時期から介入する。
  • 患者の身体的・精神的苦痛を和らげることが介入の目的であり、家族は対象に含まれない。
  • 人生の最終段階における医療・ケアの決定に関わるアドバンス・ケア・プランニングの実践にも介入する。

◆ 問331

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


正:[がん患者だけでなく、心不全患者の疼痛管理にも介入する。]
 緩和ケアチームは、がん患者の疼痛管理以外に心不全患者の疼痛管理にも介入する。

正:[職種間で共有する痛みの評価法として、Visual Analogue Scale(VAS)、Numerical Rating Scale(NRS)等は有用である。]
 痛みの評価法として、Visual Analogue Scale(VAS:長さ10cmの黒い線を用いて痛みを表す方法)、Numerical Rating Scale(NRS:0が痛み無し、10が想像できる最大の痛みとして、0〜11段階に分けて、現在の痛みがどの程度かを指し示す方法)、Verbal Rating Scale(VRS:0;痛くない、1;少し痛む、2;かなり痛む、3;耐えられない程度痛む、の4段階で痛みを評価する方法)、Face Rating Scale(FRS:表情により痛みの強さを表す方法)が用いられる。 

正:[がん治療の開始とともに早い時期から介入する。]
 がん患者とその家族が、可能な限り質の高い治療・療養生活を送れるように、身体的症状の緩和や精神心理的な問題などへの援助が、終末期だけでなく、がんと診断された時からがん治療と同時に行われることが望まれている。そのため、緩和ケアチームは、がん治療の開始とともに早い時期から介入することが望ましい。

誤:[患者の身体的・精神的苦痛を和らげることが介入の目的であり、家族は対象に含まれない。]
 解説3参照

正:[人生の最終段階における医療・ケアの決定に関わるアドバンス・ケア・プランニングの実践にも介入する。]
 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、事前に考え、医療チーム等と繰り返し話し合い共有する取組みのことであり、緩和ケアチームはACPの実践にも介入する。