第108回薬剤師国家試験
◆ 問343
68歳女性。急性閉塞隅角緑内障疑いで経過観察中。3日前から頻尿と尿意切迫感がみられるようになり、これに伴い夜眠れないことが多くなり、内科を受診した。検査結果は以下のとおりである。尿所見:蛋白(±)、糖(ー)。沈渣に赤血球1~4/1視野、白血球₁~₄/₁視野、
細菌(-)。腹部超音波検査で残尿を認めない。
この患者の尿路症状改善に対する治療薬について、医師から薬剤師に相談があった。提案すべき薬物として、適切なのはどれか。1つ選べ。
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レボフロキサシン水和物
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アルプラゾラム
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プロピベリン塩酸塩
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タムスロシン塩酸塩
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ビベグロン
◆ 問343
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:5
誤:[レボフロキサシン水和物]
本症例では、細菌(-)であることから、感染症により頻尿と尿意切迫感が現れている可能性が低いため、抗菌薬であるレボフロキサシン水和物を提案することは不適切である。
誤:[アルプラゾラム]
アルプラゾラムは、抗コリン作用を有しており、眼圧上昇により症状を悪化させる可能性があるため、急性閉塞隅角緑内障の患者に投与することはできない。
誤:[プロピベリン塩酸塩]
プロピベリンは、抗コリン作用を有しており、眼圧上昇により症状を悪化させる可能性があるため、急性閉塞隅角緑内障の患者に投与することはできない。
誤:[タムスロシン塩酸塩]
タムスロシン塩酸塩は、前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる。本症例における患者は女性であるため、タムスロシン塩酸塩が用いられることはない。
正:[ビベグロン]
本症例では、細菌(-)であり、頻尿と尿意切迫感が認められているため、過活動膀胱の可能性が高い。ビベグロンは、アドレナリンβ3受容体刺激薬であり、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び尿意切迫感に用いられるため、ビベグロンを提案することは適切である。