第108回薬剤師国家試験

◆ 問91

放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。
  • α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。
  • β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。
  • 電離作用の強さは、α線<β-線<γ線の順である。
  • γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。

◆ 問91

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、5


この問題は放射線と物質の相互作用に関する記述についての問題です。

まず、放射線は粒子放射線と電磁波放射線の2つに分類されます。したがって、最初の解答は正しいです。

次に、α線についての記述です。α線は物質を通過する際に物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になります。これは正しい記述です。

β-線に関しては、透過放射線量が吸収体の厚さに対して直線的に減少するという記述があります。これは正しくありません。実際には、吸収体の厚さに対して指数関数的に減少します。したがって、この記述は間違っています。

電離作用の強さに関しては、α線<β-線<γ線の順であるという記述があります。これは正しい記述です。α線は比較的大きな電離作用を持ち、β-線はα線よりも小さな電離作用を持ちます。一方、γ線はより小さな電離作用を持ちます。

最後に、γ線に関する記述です。γ線は物質と相互作用する際に光電効果、コンプトン効果、または電子対生成によりエネルギーを失います。この記述は正しいです。γ線は物質と相互作用する際にこれらの効果によってエネルギーを失うことが知られています。

したがって、正しい記述は「放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。」および「γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。」の2つです。