第109回薬剤師国家試験

◆ 問101

以下のアンモニウムイオンのうち、pKa値が最小なのはどれか。1つ選べ。
109回問101画像1

◆ 問101

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


アンモニウムイオンの各構造に対するpKa値についての情報は、以下の通りです:
1…基本構造(ベンゼン環に置換基なし): 通常のアンモニウムイオンのpKaは約9.25です。
2…クロロ置換(Cl): クロロベンゼンのアンモニウムイオンのpKaは、基本構造よりもわずかに低いと予想されます。クロリンは電子を引き付ける性質があるため、酸性度が増します。
3…メトキシ置換(OCH3): メトキシ基は電子供与基であり、アンモニウムイオンのpKaを上げる傾向があります。したがって、基本構造よりも高いpKaが予想されます。
4…メチル置換(CH3): メチル基も電子供与基であり、メトキシ基ほどではありませんが、pKaを上げる効果があります。
5…ニトロ置換(NO2): ニトロ基は強い電子引き付け基であり、アンモニウムイオンのpKaを大幅に下げることが知られています。したがって、最も低いpKaが予想されます。

画像に示されたアンモニウムイオンの構造に基づいて、pKa値が最小なのは、ベンゼン環にニトロ基 (NO2) が取り付けられた構造、つまり構造5です。ニトロ基は電子を引き抜く性質があり、アンモニウムイオンのプロトンが離れやすくなります。これにより、pKa値が低くなるため、最も酸性が強いと考えられます。