第109回薬剤師国家試験

◆ 問104

ビタミンB1欠乏症の予防及び治療に用いられるフルスルチアミンは、ビタミンB1(チアミン)の消化管吸収効率を改善したプロドラッグであり、体内でジスルフィド結合が還元された後、閉環してビタミンB1となる。ビタミンB1の構造として、正しいのはどれか。1つ選べ。
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◆ 問104

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


ビタミンB1の構造について詳しく解説します。

チアゾール環: ビタミンB1の中心部分で、硫黄と窒素を含む五員環です。
メチレン基(−CH2−): チアゾール環とピリミジン環を繋ぐ炭素原子です。
アミノ基: チアゾール環に結合している窒素原子です。
ピリミジン環: チアゾール環に結合しているもう一つの環で、窒素を含む六員環です。

ビタミンB1の構造として正しいのは選択肢5です。ビタミンB1は、メチレン基によってピリミジン環とチアゾール環が繋がった構造を持っています(選択肢1、3、5)。また、ジスルフィド結合が還元された際に生成するチオール基はローンペアを持ち、求核性を示します。閉環する際には、チオール基がアルデヒド基に対して求核付加し、さらに共鳴安定化することでビタミンB1を生成します