第109回薬剤師国家試験

◆ 問112

下図はヒトの眼球断面の模式図である。図のa~eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。109回問112画像1
  • aにある筋肉の収縮・弛緩により、焦点を調節する。
  • bは、眼房水を産生し、眼圧の維持に関与する。
  • cは、血管のない透明な組織であり、光が透過する。
  • dには、桿体細胞と錐体細胞の2種類の視細胞が存在する。
  • eは、黄斑の中心窩である。

◆ 問112

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


109回問112画像1

図のaは虹彩、bは毛様体、cは水晶体、dは強膜、eは視神経乳頭を表しています。

[aにある筋肉の収縮・弛緩により、焦点を調節する。]
誤りです。
虹彩(a)には、瞳孔散大筋と瞳孔括約筋が存在し、これらの筋肉の収縮・弛緩により、瞳孔の大きさを変化(散瞳・縮瞳)させ、光量の調節を行います。なお、焦点の調節は、毛様体に存在する毛様体筋の収縮・弛緩により行います。


[cは、血管のない透明な組織であり、光が透過する。]
正しいです。
毛様体(b)は、眼房水を産生し、眼圧を維持するとともに、血管の存在しない角膜や水晶体に栄養を供給します。


[bは、眼房水を産生し、眼圧の維持に関与する。]
正しいです。
解説2を参照してください。さらに、水晶体(c)は、光を屈折させ、網膜に外界の像を結像させる働きも持っています。


[dには、桿体細胞と錐体細胞の2種類の視細胞が存在する。]
誤りです。
強膜(d)は眼球の一番外側に存在する膜で、眼球形態の維持、内部構造の保護に関与します。なお、桿体細胞と錐体細胞の2種類の視細胞が存在するのは、網膜です。


[eは、黄斑の中心窩である。]
誤りです。
視神経乳頭(e)は、神経節細胞の軸索が束となり、視神経を形成して眼球外に出ていく部位であり、視細胞が存在しないため光を受容できません。なお、黄斑は中心窩というへこみを持ち、最も視力に影響を与える部位です。