第109回薬剤師国家試験

◆ 問114

ケトン体に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • アセチルCoAとマロニルCoAから産生される。
  • グルコースに代わるエネルギー源となる。
  • 3-ヒドロキシ酪酸、α-ケトグルタル酸及びアセト酢酸の3つの分子を指す。
  • 主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。
  • 細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。

◆ 問114

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


正解は以下の2つです。
[グルコースに代わるエネルギー源となる。]
[主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。]

正解の解説について:
[グルコースに代わるエネルギー源となる。]
ケトン体は、糖質が不足している時に、グルコースに代わるエネルギー源として利用されます。特に、脳は通常グルコースを主なエネルギー源としていますが、飢餓状態などでグルコースが不足すると、ケトン体をエネルギー源として使用することがあります。

[主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。]
ケトン体は主に肝臓で生成され、血流を介して他の組織に運ばれます。肝臓では、アセチルCoAからケトン体が合成され、これらは全身の細胞でエネルギー源として利用されることがあります。


他の選択肢については、以下のように誤りがあります:
[アセチルCoAとマロニルCoAから産生される。]
ケトン体はアセチルCoAから生成されますが、マロニルCoAからは生成されません。

[3-ヒドロキシ酪酸、α-ケトグルタル酸及びアセト酢酸の3つの分子を指す。]
ケトン体はアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、及びアセトンの3つの分子を指します。α-ケトグルタル酸はケトン体には含まれません。

[細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。]
ケトン体は糖新生の原料としては利用されません。糖新生には主に乳酸やアミノ酸が用いられます。ケトン体はエネルギー源として利用されるものです。