第109回薬剤師国家試験

◆ 問117

抗体とそのクラススイッチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。
  • 最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。
  • クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。
  • すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。
  • クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。

◆ 問117

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


[クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。]
[最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。]
[クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。]
[クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。]


選択肢の中で誤っているのは
[すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。]
です。

抗体のクラススイッチは、RNAの選択的スプライシングではなく、B細胞のDNAレベルでの遺伝子再編成によって生じます。この過程では、特定のサイトカインやT細胞との相互作用によって誘導される酵素AID(activation induced cytidine deaminase)が関与し、重鎖領域の遺伝子が組み換えられて異なるクラスの抗体が産生されます。他の選択肢は正しい記述です。

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109回薬剤師国家試験 問119