第109回薬剤師国家試験

◆ 問118

炎症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。
  • 補体成分のC3bとC5bは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。
  • P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。
  • Toll様受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。
  • 炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。

◆ 問118

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


炎症に関する記述で正しいものを選ぶ問題ですね。正しい記述は以下の通りです:
[P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。]
P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わります。これは白血球が炎症部位へ迅速に移動するための選択的な接着を促進するためのものです。

[炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。]
炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進します。これは急性期反応タンパク質の一つで、炎症反応において重要なマーカーとなります。


他の選択肢については、以下の理由で不正確です:
[発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。]
発赤は炎症の兆候の一つですが、これは赤血球が血管外に浸潤する現象ではなく、血管拡張による血流増加が原因です。

[補体成分のC3bとC5bは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。]
補体成分のC3bとC5bはアナフィラトキシンの機能を持ちますが、これらは直接肥満細胞からヒスタミンを遊離させるわけではありません。

[Toll様受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。]
Toll様受容体は炎症の初期段階で免疫応答を調節する役割を持ちますが、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わるという記述は正確ではありません。