第109回薬剤師国家試験

◆ 問126

新生児マススクリーニングとその対象疾患に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 対象疾患は、後天性代謝異常症及び内分泌疾患である。
  • 全ての対象疾患のスクリーニングには、タンデムマス法が用いられている。
  • ガラクトース血症の発見率は、この10年間減少し続けている。
  • メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸制限ミルクの食事療法が行われる。
  • クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われる。

◆ 問126

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


正解は[メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸制限ミルクの食事療法が行われる。]と[クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われる。]です。

それぞれの選択肢について解説します。
[メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸制限ミルクの食事療法が行われる。]
これは、血液中のロイシン濃度を指標として、特定のアミノ酸が体に蓄積するのを防ぐためです。

[クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われる。]
これは、甲状腺機能低下症の症状や身体の発育障害を改善するためであり、知能障害を防ぐためには生後1か月以内に治療を開始することが重要です。

[対象疾患は、後天性代謝異常症及び内分泌疾患である。]
対象疾患は先天性代謝異常症及び内分泌疾患ですが、後天性代謝異常症は含まれません。

[全ての対象疾患のスクリーニングには、タンデムマス法が用いられている。]
タンデムマス法は20種類の対象疾患のスクリーニングに用いられていますが、全ての疾患に用いられているわけではありません。

[ガラクトース血症の発見率は、この10年間減少し続けている。]
ガラクトース血症の発見率が減少している事実はありません。

覚えておくべき用語:
タンデムマス法: 多くの代謝異常症を一度に検出できるスクリーニング方法です。
分岐鎖アミノ酸制限ミルク: メープルシロップ尿症の治療に使用される特殊ミルクです。
甲状腺ホルモン補充療法: クレチン症の治療に用いられる方法です。