第109回薬剤師国家試験

◆ 問127

ビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • レチノイン酸は、光を感知するロドプシンの構成成分で視覚機能を正常に保つのに必要である。
  • α-トコフェロールは、ヒトでは腸内細菌によって主に供給される。
  • コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。
  • リボフラビンは生体内で活性化され、糖質や脂質のエネルギー代謝に関与する酵素の補酵素としてはたらく。
  • チアミンは、生体内で補酵素NADやNADPとして酸化還元反応に関与する。

◆ 問127

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


正解は[コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。]と[リボフラビンは生体内で活性化され、糖質や脂質のエネルギー代謝に関与する酵素の補酵素としてはたらく。]です。

それぞれの選択肢について解説します。
[レチノイン酸は、光を感知するロドプシンの構成成分で視覚機能を正常に保つのに必要である。]
誤りです。レチノイン酸ではなく、レチノールがロドプシンの構成成分であり、視覚機能を正常に保つのに必要です。レチノイン酸はレチノールから作られる化合物で、主に皮膚の成長と分化に関与しています。

[α-トコフェロールは、ヒトでは腸内細菌によって主に供給される。]
誤りです。α-トコフェロール(ビタミンE)は、食品から摂取する必要があるビタミンであり、ヒトの腸内細菌によっては主に供給されません。

[コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。]
正解です。コレカルシフェロール(ビタミンD3)は、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成されるのは正しいです。これはビタミンDの合成における重要なステップです。

[リボフラビンは生体内で活性化され、糖質や脂質のエネルギー代謝に関与する酵素の補酵素としてはたらく。]
正解です。リボフラビン(ビタミンB2)は、生体内でFMN(フラビンモノヌクレオチド)やFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)に変換され、多くの酵素反応の補酵素として機能します。これらの酵素は糖質や脂質のエネルギー代謝に関与しています。

[チアミンは、生体内で補酵素NADやNADPとして酸化還元反応に関与する。]
誤りです。チアミン(ビタミンB1)は、チアミンピロリン酸として補酵素となり、糖質の代謝に関与しますが、NADやNADPとしては機能しません。これらはナイアシン(ビタミンB3)から作られる補酵素です。