第109回薬剤師国家試験

◆ 問128

三大栄養素としての糖質、脂質、タンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 単位重量当たりで得られるエネルギーが最も多いのは、糖質である。
  • 糖質はエネルギー源となり、エネルギー貯蔵体にも変換される。
  • 脂質から単位重量当たりに得られるエネルギーは、タンパク質の約4倍である。
  • タンパク質はエネルギー源にはならない。
  • 脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンなどの生理活性物質の前駆体になるものがある。

◆ 問128

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


正解は[糖質はエネルギー源となり、エネルギー貯蔵体にも変換される。]と[脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンなどの生理活性物質の前駆体になるものがある。]です。
正解の選択肢について:
[糖質はエネルギー源となり、エネルギー貯蔵体にも変換される。]
糖質はエネルギー源として利用され、余剰の糖質は体内でグリコーゲンとして貯蔵されます。これは、食事から摂取した糖質が分解されてグルコースになり、エネルギーとして直ちに使われるか、肝臓や筋肉でグリコーゲンとして貯蔵されるためです。

[脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンなどの生理活性物質の前駆体になるものがある。]
例えば、ステロイドホルモンは脂質から合成され、アミノ酸はタンパク質の代謝によって生成されます。

誤りの選択肢について:
[単位重量当たりで得られるエネルギーが最も多いのは、糖質である。]
単位重量当たりで得られるエネルギーが最も多いのは脂質で、約9kcal/gです。糖質とタンパク質は約4kcal/gです。

[脂質から単位重量当たりに得られるエネルギーは、タンパク質の約4倍である。]
脂質から得られるエネルギーはタンパク質の約2倍であり、約9kcal/gです。タンパク質は約4kcal/gです。

[タンパク質はエネルギー源にはならない。]
タンパク質もエネルギー源となり得ますが、主に細胞の構造や酵素などの生合成に使われます。

覚えておくべき用語:
グリコーゲン: 糖質が体内でエネルギー貯蔵体に変換される形態。
アミノ酸: タンパク質を構成する基本単位で、タンパク質の代謝によって生成される。
ステロイドホルモン: 脂質から合成されるホルモンの一種。