第109回薬剤師国家試験

◆ 問129

食品成分に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • キトサンは、エビやカニの殻に含まれる成分を原料としたもので、血中コレステロール値を低下させる作用がある。
  • アスタキサンチンは、ブドウの果皮に含まれており、コラーゲンの合成を促す作用がある。
  • 難消化性デキストリンは、コンニャクに含まれており、脂肪の燃焼を促す作用がある。
  • ダイゼインは、ダイズに含まれており、抗酸化作用がある。
  • β-カロテンは、ニンジンやカボチャに含まれており、体内で分解してビタミンEが生成する。

◆ 問129

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


正解は[キトサンは、エビやカニの殻に含まれる成分を原料としたもので、血中コレステロール値を低下させる作用がある。]と[ダイゼインは、ダイズに含まれており、抗酸化作用がある。]です。

それぞれの選択肢について解説します。
[キトサンは、エビやカニの殻に含まれる成分を原料としたもので、血中コレステロール値を低下させる作用がある。]
キトサンはエビやカニの殻から作られ、血中コレステロール値を低下させる作用があります。これは、キトサンが胆汁酸と結合し、体外に排泄することでコレステロールの吸収を抑えるためです。

[アスタキサンチンは、ブドウの果皮に含まれており、コラーゲンの合成を促す作用がある。]
アスタキサンチンはブドウの果皮ではなく、主に海洋生物に含まれており、強力な抗酸化作用がありますが、コラーゲンの合成を促す作用については一般的に知られていません。

[難消化性デキストリンは、コンニャクに含まれており、脂肪の燃焼を促す作用がある。]
難消化性デキストリンはコンニャクではなく、主にトウモロコシなどのデンプンから作られた食物繊維で、脂肪の燃焼を促す作用ではなく、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇を抑制する作用があります。

[ダイゼインは、ダイズに含まれており、抗酸化作用がある。]
ダイゼインは大豆に含まれるイソフラボンで、抗酸化作用があります。これは、ダイゼインが酸化ストレスを制御し、抗酸化特性を持つためです。

[β-カロテンは、ニンジンやカボチャに含まれており、体内で分解してビタミンEが生成する。]
β-カロテンはニンジンやカボチャに含まれており、体内でビタミンAに変換されますが、ビタミンEの生成には関与しません。

覚えておくべき用語は「キトサン」と「ダイゼイン」です。
キトサンはコレステロール管理に、ダイゼインは抗酸化作用に関連しています。また、「難消化性デキストリン」は血糖値や中性脂肪の管理に役立つ食物繊維であり、「β-カロテン」はビタミンAの前駆体として知られています。