第109回薬剤師国家試験

◆ 問13

核内受容体のリガンドの前駆体となるビタミンはどれか。1つ選べ。
  • ナイアシン
  • ピリドキシン
  • パントテン酸
  • レチノール
  • ビオチン

◆ 問13

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


[ナイアシン](ビタミンB3): GPR109Aという核内受容体は、ナイアシンやケトン体を内因性リガンドとして知られており、短鎖脂肪酸であるn-酪酸によっても活性化されることが報告されています。

[ピリドキシン](ビタミンB6): 核内受容体は脂溶性ホルモン類をリガンドとする転写因子であり、細胞分化やエネルギー代謝に重要な役割を果たしていますが、ピリドキシンが直接核内受容体と結合するかどうかの情報は見つかりませんでした。

[パントテン酸](ビタミンB5): PPARという核内受容体は、脂質代謝、炎症反応、脂肪細胞分化などに関わる遺伝子の転写を調節しますが、パントテン酸がPPARを直接活性化するかについての情報は見つかりませんでした。

[レチノール](ビタミンA): ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、視覚、免疫機能、皮膚の健康、および細胞の成長と分化に不可欠です。レチノールは、レチノイン酸として活性化された後、RARとRXRという二つの核内受容体に結合します。これらの受容体は、DNAに結合し、遺伝子の転写を調節することで、細胞の成長と分化を促進します。

[ビオチン](ビタミンB7): 核内受容体は、ビタミンAやビタミンDなどの脂溶性ビタミンや甲状腺ホルモン、ステロイドホルモンなどが結合し活性化されることが知られていますが、ビオチンが核内受容体に結合するかについての明確な情報は見つかりませんでした。

他の選択肢が核内受容体のリガンドの前駆体として不適切である理由は、それらが直接核内受容体に結合してその活性を調節する既知の機能を持っていないためです。[レチノール]は、その変換産物であるレチノイン酸を介して、核内受容体と直接相互作用する唯一のビタミンです。