第109回薬剤師国家試験

◆ 問131

食中毒の原因となる微生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選ベ。
  • 黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない。
  • ボツリヌス菌は、低酸素状態ではボツリヌス毒素を産生しない。
  • 腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する。
  • セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素は、100℃で30分間の加熱で毒性を失う。
  • エルシニア・エンテロコリチカは、4℃の低温条件下では発育できない。

◆ 問131

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


正しい記述は以下の通りです:
[黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない。]
[腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する。]

それぞれの選択肢についての解説は以下の通りです:
[黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない。]
正解です。黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンは耐熱性が高く、通常の加熱調理では活性を失いません。

[ボツリヌス菌は、低酸素状態ではボツリヌス毒素を産生しない。]
誤りです。ボツリヌス菌は低酸素状態でボツリヌス毒素を産生します。

[腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する。]
正解です。腸管出血性大腸菌は酸に強く、ベロ毒素を産生します。

[セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素は、100℃で30分間の加熱で毒性を失う。]
誤りです。セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素(セレウリド)は、高温でも耐性を持ちます。

[エルシニア・エンテロコリチカは、4℃の低温条件下では発育できない。]
誤りです。エルシニア・エンテロコリチカは低温でも発育することができます。

覚えておくべき用語:
エンテロトキシン:黄色ブドウ球菌が産生する耐熱性の毒素。
ベロ毒素:腸管出血性大腸菌が産生する毒素。
セレウリド:セレウス菌が産生する嘔吐を引き起こす毒素。高温でも耐性を持つ。