第109回薬剤師国家試験

◆ 問133

ヒ素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 無機ヒ素化合物の毒性は、5価のヒ素の方が、3価のヒ素より強い。
  • アルセノベタインは、無機ヒ素と比べて急性毒性が強い。
  • ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。
  • 無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒薬として亜硝酸アミルが用いられる。
  • 無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている。

◆ 問133

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


正解は
[ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。]
[無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている。]
です。

誤りの記述について:
[無機ヒ素化合物の毒性は、5価のヒ素の方が、3価のヒ素より強い。]
無機ヒ素化合物の毒性は、3価のヒ素の方が5価のヒ素より強いです。3価の無機ヒ素はチオール基(SH基)を持つたんぱく質と高い親和性を有するため、強い毒性を示します。

[アルセノベタインは、無機ヒ素と比べて急性毒性が強い。]
アルセノベタインは、無機ヒ素と比べて急性毒性が強いわけではありません。アルセノベタインは魚介類に存在し、人体に対して無害です。

[無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒薬として亜硝酸アミルが用いられる。]
無機ヒ素化合物による急性中毒時に亜硝酸アミルを使用するのは誤りです。亜硝酸アミルはシアン化物中毒の治療に用いられる解毒薬です。