第109回薬剤師国家試験

◆ 問134

化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
  • 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。
  • 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。
  • 食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。
  • 催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。

◆ 問134

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


正解は[単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。 ]と[食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。]です。

[単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。]
半数致死量(LD50)は、一群の動物に対して単一の投与で50%の死亡を引き起こす化学物質の量を指し、毒物や劇物の分類に用いられる基準です。

[食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。]
即時型アレルギーの誘発性を予測する方法は未確立であるため、遅延型アレルギーを指標とする試験が用いられます。

[反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。]
誤りです。反復投与毒性試験は一般毒性試験に含まれ、特殊毒性試験には含まれません。

[微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。]
誤りです。復帰突然変異試験は遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられますが、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングには用いられません。

[催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。]
誤りです。催奇形性試験は、妊娠中の雌性動物に被験物質を投与して行われます。交配前ではなく、妊娠が確認された後に投与が行われます。

覚えておくべき用語は以下の通りです:
LD50(半数致死量):特定の化学物質が一群のテスト動物の50%を死亡させるのに必要な量。
遅延型アレルギー:アレルゲンとの接触から数時間~数日後にアレルギー症状が出るタイプのアレルギー反応。
催奇形性試験:妊娠中の動物に化学物質を投与し、胎児に奇形が誘発されるかどうかを調べる試験。