第109回薬剤師国家試験

◆ 問138

水質汚濁に係る環境基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 水質汚濁防止法に基づいて、定められている
  • 水中の有機物量の指標として、河川では化学的酸素要求量(COD)、湖沼及び海域では生物化学的酸素要求量(BOD)が採用されている。
  • 底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生する目的で、湖沼及び海域において底層溶存酸素量の基準値が定められている。
  • 地下水には、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。
  • 公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。

◆ 問138

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


[水質汚濁防止法に基づいて、定められている。]
誤り:水質汚濁防止法は、水質の保全に関する基本的な法律ですが、環境基準自体は環境基本法に基づいて定められています。

[水中の有機物量の指標として、河川では化学的酸素要求量(COD)、湖沼及び海域では生物化学的酸素要求量(BOD)が採用されている。]
誤り:河川ではBODが、湖沼及び海域ではCODが主に使用されています。これは、海水中の塩分がBOD測定に影響を与えるため、海域ではCODが採用されているからです。

[底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生する目的で、湖沼及び海域において底層溶存酸素量の基準値が定められている。]
正しい:湖沼及び海域では、底層の水生生物が生存できるように、底層溶存酸素量の基準値が設定されています。

[地下水には、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。]
誤り:地下水には「生活環境の保全に関する環境基準」は定められていません。地下水の環境基準は、地下水汚染の防止に関する法律に基づいています。

[公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。]
正しい:公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩に関する「生活環境の保全に関する環境基準」が定められています。

覚えておくべき用語:
BOD(生物化学的酸素要求量):水中の有機物が微生物によって分解される際に必要とされる酸素の量を指します。
COD(化学的酸素要求量):水中の有機物が化学的に酸化される際に必要とされる酸素の量を指します。
底層溶存酸素量:水底近くの水中に溶けている酸素の量で、水生生物の生存に必要な指標です。