第109回薬剤師国家試験

◆ 問139

一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局における大気汚染物質の測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。
  • 二酸化窒素は、紫外線の照射によって励起した二酸化窒素分子が発する蛍光の強度に基づいて測定される。
  • 光化学オキシダントは、ザルツマン試薬との反応により生じる生成物の吸光度に基づいて測定される。
  • 二酸化硫黄は、エチレンとの反応により生じる近紫外線領域の発光の強度に基づいて測定される。
  • 浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、β線を照射し、その透過量に基づいて測定される。

◆ 問139

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、5


正解は[一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。]と[浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、β線を照射し、その透過量に基づいて測定される。]です。

それぞれの選択肢について解説します。
[一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。]
一酸化炭素は、赤外線吸収分光法によって測定されます。この方法では、一酸化炭素が特定の波長の赤外線を吸収する性質を利用して、その吸収量から濃度を求めます。

[二酸化窒素は、紫外線の照射によって励起した二酸化窒素分子が発する蛍光の強度に基づいて測定される。]
二酸化窒素は、化学発光法や分光光度法によって測定されることが一般的ですが、紫外線による蛍光法では測定されません。

[光化学オキシダントは、ザルツマン試薬との反応により生じる生成物の吸光度に基づいて測定される。]
光化学オキシダントは、ザルツマン試薬(ジアゾニウム塩)との反応によって生じる生成物の吸光度に基づいて測定されるのは正しいですが、これはオゾンの測定に用いられる方法であり、一般的には光化学オキシダント全体を指すものではありません。

[二酸化硫黄は、エチレンとの反応により生じる近紫外線領域の発光の強度に基づいて測定される。]
二酸化硫黄は、紫外線蛍光法や非分散赤外線吸収法(NDIR)によって測定されますが、エチレンとの反応による近紫外線領域の発光に基づいて測定されることはありません。

[浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、β線を照射し、その透過量に基づいて測定される。]
浮遊粒子状物質(PM)は、ろ紙上に捕集した後、β線吸収法(β-attenuation method)によって測定されます。この方法では、β線が粒子によってどの程度減衰するかを測定し、その透過量から粒子の質量濃度を求めます。