第109回薬剤師国家試験

◆ 問145

指定薬物に関する記述のうち、 正しいのはどれか。 2つ選べ。
  • 麻薬及び向精神薬取締法に基づき、厚生労働大臣が指定する。
  • 緊急を要する場合、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かずに、厚生労働大臣が指定できる。
  • ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)は指定薬物に該当する。
  • 指定には、1つ1つの物質を個別に指定(個別指定)と特定の構造を有する物質を一括した指定(包括指定)の2つがある。
  • 「医療等の用途」以外の用途に供するための製造、販売、購入等は禁止されているが、所持の制限はない。

◆ 問145

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


正しい選択肢は[緊急を要する場合、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かずに、厚生労働大臣が指定できる。]と[指定には、1つ1つの物質を個別に指定(個別指定)と特定の構造を有する物質を一括した指定(包括指定)の2つがある。]です。

正解の選択肢について解説します。
[緊急を要する場合、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かずに、厚生労働大臣が指定できる。]
緊急を要する場合、厚生労働大臣は薬事・食品衛生審議会の意見を聴かずに指定薬物を指定することができます。これは、迅速な対応が必要な状況で、新たな危険な物質が出現した場合に、速やかに規制を行うための措置です。

[指定には、1つ1つの物質を個別に指定(個別指定)と特定の構造を有する物質を一括した指定(包括指定)の2つがある。]
指定薬物の指定には、個別指定と包括指定の2つの方法があります。個別指定は特定の物質を一つ一つ指定する方法で、包括指定は特定の構造を有する物質群を一括して指定する方法です。これにより、類似の構造を持つ多数の物質を効率的に規制することが可能になります。


他の選択肢について:
[麻薬及び向精神薬取締法に基づき、厚生労働大臣が指定する。]
誤りです。厚生労働大臣は指定薬物を指定する権限を持っていますが、これは麻薬及び向精神薬取締法に基づくものです。

[ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)は指定薬物に該当する。]
誤りです。ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)は麻薬に分類され、指定薬物ではありません。

[「医療等の用途」以外の用途に供するための製造、販売、購入等は禁止されているが、所持の制限はない。]
誤りです。指定薬物は医療等の用途以外での製造、販売、購入、所持が禁止されており、所持も制限されています。

覚えておくべき用語:
指定薬物: 厚生労働大臣が指定する、中枢神経系への作用を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのある物質。
個別指定: 一つ一つの物質を個別に指定する方法。
包括指定: 特定の構造を有する物質群を一括して指定する方法。