第109回薬剤師国家試験

◆ 問146

毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 興奮、幻覚、麻酔作用を有する毒物又は劇物を交付する場合、その交付を受ける者の氏名及び住所を確認しなければならない。
  • 引火性、発火性又は爆発性を有し、業務その他正当な目的以外での所持が認められないものとして、トルエンが指定されている。
  • 特定毒物使用者は、特定毒物を品目ごとに政令で定める用途以外の用途に供してはならない。
  • 毒物及び劇物の容器・被包には「医薬用外」の文字とともに、毒物については黒地に白色で「毒物」の文字、劇物については白地に赤色で「劇物」の文字を表示しなければならない。
  • 毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。

◆ 問146

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


正解は[特定毒物使用者は、特定毒物を品目ごとに政令で定める用途以外の用途に供してはならない。]と[毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。]です。

それぞれの選択肢について解説します。
[興奮、幻覚、麻酔作用を有する毒物又は劇物を交付する場合、その交付を受ける者の氏名及び住所を確認しなければならない。]
誤り: 興奮、幻覚、麻酔作用を有する毒物又は劇物を交付する場合、その交付を受ける者の氏名及び住所を確認する必要はありません。

[引火性、発火性又は爆発性を有し、業務その他正当な目的以外での所持が認められないものとして、トルエンが指定されている。]
誤り: 毒物及び劇物取扱法において、トルエンが指定されている理由は、その引火性、発火性、または爆発性によるものではありません。トルエンは、興奮、幻覚、または麻酔の作用を有する物質として規制されています。具体的には、毒物及び劇物取締法施行令により、トルエンや酢酸エチル、メタノールを含むシンナー(塗料の粘度を減少させるために使用される有機溶剤)が規制対象とされています。

[特定毒物使用者は、特定毒物を品目ごとに政令で定める用途以外の用途に供してはならない。]
正しい: 特定毒物使用者は、特定毒物を品目ごとに政令で定める用途以外の用途に供してはなりません。

[毒物及び劇物の容器・被包には「医薬用外」の文字とともに、毒物については黒地に白色で「毒物」の文字、劇物については白地に赤色で「劇物」の文字を表示しなければならない。]
誤り: 毒物及び劇物の容器・被包には「医薬用外」の文字とともに、毒物については黒地に白色で「毒物」の文字、劇物については白地に赤色で「劇物」の文字を表示する必要はありません。

[毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。]
正しい: 毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければなりません。

覚えておくべき用語:
毒物: 別表第一に掲げる物で、医薬品及び医薬部外品以外のものを指します。
劇物: 別表第二に掲げる物で、医薬品及び医薬部外品以外のものを指します。
特定毒物: 毒物で、別表第三に掲げるものを指します。
毒物劇物営業者: 毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに専任の毒物劇物取扱責任者を置く業者です。