第109回薬剤師国家試験

◆ 問171

経口投与する薬物について、食事により量的バイオアベイラビリティは変わらないが、速度的バイオアベイラビリティが低下するのはどれか。2つ選べ。
  • アセトアミノフェン
  • セファクロル
  • リボフラビン
  • フェニトイン
  • インドメタシン ファルネシル

◆ 問171

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


正解は[アセトアミノフェン]と[セファクロル]です。


まず、問題のキーワードを解説します。
量的バイオアベイラビリティ…経口投与された薬物がどれだけ体循環に入るかを示す指標
速度的バイオアベイラビリティ…薬物がどれだけ速く血中に到達するかを示す指標

量的バイオアベイラビリティが高い薬物は、経口投与でも効果的に体内に吸収されることを意味します。一方、速度的バイオアベイラビリティが低下すると、薬物の作用が遅れる可能性があります。


上記を踏まえて、選択肢をそれぞれ見ていきましょう。

[アセトアミノフェン]
正解です。アセトアミノフェンは食事の影響を受けにくい薬物ですが、食事によって胃の排出時間が長くなるため、薬物が吸収される速度は遅くなります。しかし、最終的に体循環に入る薬物の総量には変化がないため、量的バイオアベイラビリティは変わりません。


[セファクロル]
正解です。セファクロルも同様に、食事によって胃の排出時間が延長されることで、薬物の吸収速度が遅くなります。しかし、全体の吸収量には影響がないため、量的バイオアベイラビリティは変わらないです。


[リボフラビン]
不正解です。リボフラビンは食事と一緒に摂取することで量的バイオアベイラビリティが増加します。


[フェニトイン]
不正解です。フェニトインも食事と一緒に摂取することで量的バイオアベイラビリティが増加します。特に高脂肪食は量的バイオアベイラビリティの増加が報告されています。


[インドメタシン ファルネシル]
不正解です。インドメタシン ファルネシルの場合、食事による量的バイオアベイラビリティと速度的バイオアベイラビリティの影響はありません