第109回薬剤師国家試験
◆ 問179
2種類の粉体A及びBの粉体層について、 図1に示すように、種々の垂直応力 (σ)を加えた状態で可動セルを水平方向に引っ張ることでせん断試験を行った。 得られたせん断応力 (γ) の値をσに対してプロットした結果を図2に示す。 以下 の記述のうち、 正しいのはどれか。 2つ選べ。 ただし、 τとσの間にはクーロンの 式が成立するものとする。
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粉体Aは粉体Bよりも安息角が大きい。
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粉体Aを造粒するとグラフの傾きが大きくなる。
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粉体Bは粉体Aよりも付着力が強い。
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粉体Bに滑沢剤を適量添加すると内部摩擦係数が大きくなる。
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粉体Bは粉体Aよりもオリフィスからの流出速度が大きい。
◆ 問179
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：1、5
正解の選択肢についての解説は以下の通りです。
[粉体Aは粉体Bよりも安息角が大きい。]
正しい。図2から、粉体Aのせん断応力 (γ) が粉体Bよりも高いことがわかります。これは、粉体Aの安息角が大きいことを示しており、安息角は物質の内部摩擦係数やせん断強度を示すパラメータです。
[粉体Bは粉体Aよりもオリフィスからの流出速度が大きい。]
正しい。図2で示されているグラフに基づくと、粉体Bのせん断応力 (γ) が低く、これは流れやすさを示しています。したがって、オリフィスからの流出速度も大きくなります。
誤りの選択肢についての解説は以下の通りです。
[粉体Aを造粒するとグラフの傾きが大きくなる。]
誤りです。
[粉体Bは粉体Aよりも付着力が強い。]
誤りです。図2のデータだけでは、粉体Bの付着力が粉体Aよりも強いとは断定できません。付着力は直接的にせん断応力 (γ) と関連しているわけではないためです。
[粉体Bに滑沢剤を適量添加すると内部摩擦係数が大きくなる。]
誤りです。滑沢剤を添加すると通常、内部摩擦係数は低下します。
覚えておくべき用語：
安息角：粉体の流動性や堆積状態を表す指標で、内部摩擦係数やせん断強度と関連しています。
