第109回薬剤師国家試験

◆ 問184

図1に示すニフェジピン徐放錠を8分割又は分割せずに、1錠分をヒトに経口投与したときの血漿中ニフェジピン濃度の推移を図2に示す。この錠剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
109回問184画像1
  • スパンタブ型の錠剤である。
  • 8分割した錠剤の血中濃度推移はAである。
  • 外層部は徐放性マトリックスである。
  • 内核錠は徐放性コーティングされている。
  • 錠剤全体が腸溶性コーティングされている。

◆ 問184

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


正解の選択肢について解説します。
[8分割した錠剤の血中濃度推移はAである。]
これは、錠剤が分割された場合、徐放性の特性が失われ、薬剤が速やかに放出されるため、血中濃度が急速に上昇することを意味します。徐放錠は通常、薬剤の放出を一定の速度で行うように設計されていますが、分割するとその構造が破壊され、設計された放出パターンが変わるためです。

[外層部は徐放性マトリックスである。]
徐放性マトリックスは、薬物を高分子やワックスなどの基剤中に分散させたもので、薬物分子のマトリックス内の拡散速度により放出速度が決まります。この選択肢が正しいとされるのは、外層部が徐放性マトリックスで構成されていることにより、薬剤が一定の速度で血漿中に放出されるためです。


誤りの選択肢について解説します。
[スパンタブ型の錠剤である。]
スパンタブ型は、即放性と徐放性の二層からなる多層錠です。この錠剤がスパンタブ型であるという証拠は提示されていません。

[内核錠は徐放性コーティングされている。]
徐放性コーティングに関する情報は提供されていません。徐放性コーティングは、薬剤が一定の速度で放出されるようにするコーティングですが、この錠剤にそれが適用されているかは不明です。

[錠剤全体が腸溶性コーティングされている。]
腸溶性コーティングは、胃ではなく小腸で溶けるようにするコーティングです。この錠剤が腸溶性コーティングされているという情報はありません。


覚えておくべき用語:
徐放性マトリックス: 薬剤が基剤中に分散され、拡散速度によって放出速度が決まるシステム。
スパンタブ型: 即放性と徐放性の二層からなる多層錠。
腸溶性コーティング: 胃ではなく小腸で溶けるようにするコーティング。