第109回薬剤師国家試験

◆ 問185

薬剤服用後に発症する偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 主な原因医薬品として、抗菌薬がある。
  • 緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。
  • 便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。
  • 治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。
  • 難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。

◆ 問185

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


正解の選択肢は以下の通りです。
[主な原因医薬品として、抗菌薬がある。]
抗菌薬は偽膜性大腸炎の主な原因医薬品です。抗菌薬の使用により腸内細菌のバランスが崩れ、クロストリジウム・ディフィシルという菌が増殖し、炎症を引き起こすことが知られています。

[治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。]
メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩は偽膜性大腸炎の治療に使用される抗菌薬です。これらはクロストリジウム・ディフィシルに対して効果的であり、症状の改善に役立ちます。


誤りの選択肢は以下の通りです。
[緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。]
偽膜性大腸炎は緑膿菌感染によるものではなく、クロストリジウム・ディフィシルが原因です。

[便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。]
偽膜性大腸炎では下痢が主な症状であり、便秘が持続し腸閉塞に至ることは一般的ではありません。

[難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。]
インフリキシマブは難治性の偽膜性大腸炎には通常用いられません。インフリキシマブは免疫調節薬であり、炎症性腸疾患の治療に使用されることがありますが、偽膜性大腸炎の標準治療ではありません。


覚えておくべき用語:
クロストリジウム・ディフィシル: 偽膜性大腸炎の原因菌。
抗菌薬: 偽膜性大腸炎の発症に関連する医薬品。
メトロニダゾールとバンコマイシン塩酸塩: 偽膜性大腸炎の治療に使用される抗菌薬。