第109回薬剤師国家試験

◆ 問186

骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。
  • 典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。
  • 骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。
  • 閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。
  • 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。

◆ 問186

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


選択肢について解説します。
[閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。]
誤り: 閉経後はエストロゲンの減少により、骨吸収が亢進し、骨量が減少します。

[典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。]
誤り: 打ち抜き像は多発性骨髄腫の特徴的なX線所見であり、骨粗しょう症ではありません。

[骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。]
正しい: 骨代謝マーカーの上昇は骨折リスクの上昇と関連しており、予測に有用です。

[閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。]
正しい: エストロゲン補充療法は、骨密度の低下を予防し、閉経後の骨粗しょう症の治療に用いられます。

[選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。]
誤り: SERMは骨のエストロゲン受容体に作用し、骨量の低下を改善しますが、乳腺や子宮内膜にはエストロゲン拮抗作用を示します。


覚えておくべき用語:
破骨細胞: 古い骨を吸収する細胞。
骨芽細胞: 新しい骨を作る細胞。
エストロゲン: 閉経後に減少し、骨量の低下に関与するホルモン。
SERM: 骨粗しょう症の治療薬で、骨のエストロゲン受容体に選択的に作用します。