第109回薬剤師国家試験

◆ 問187

再生不良性貧血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 血清鉄が増加する。
  • 不飽和鉄結合能が増大する。
  • 小球性低色素性貧血に分類される。
  • エリスロポエチン産生が亢進する。
  • 血小板数は変化しない。

◆ 問187

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


正解の選択肢は以下の通りです。
[血清鉄が増加する。]
骨髄での赤血球の産生が抑制されるため、通常利用されるはずの鉄が余り、血清鉄のレベルが上昇します。

[エリスロポエチン産生が亢進する。]
貧血に対する身体の反応として、エリスロポエチンの産生が亢進し、赤血球の産生を促進しようとしますが、再生不良性貧血では骨髄の機能不全により効果が限定的です。


誤りの選択肢は以下の通りです。
[不飽和鉄結合能が増大する。]
再生不良性貧血では、鉄の利用が減少するため、不飽和鉄結合能は通常低下します。

[小球性低色素性貧血に分類される。]
再生不良性貧血は、正球性貧血に分類されることが多く、小球性低色素性貧血ではありません。

[血小板数は変化しない。]
再生不良性貧血では、骨髄の障害が赤血球だけでなく、他の血球系統にも影響を及ぼすため、血小板数も減少することがあります。


覚えておくべき用語:
骨髄抑制: 骨髄の機能が低下し、血液細胞の産生が不十分になる状態。
トランスフェリン: 鉄を運搬するためのタンパク質で、鉄結合能を持っています。
血清鉄: 血液中の鉄の量を示す指標。
エリスロポエチン: 赤血球の産生を促進するホルモン。
不飽和鉄結合能: トランスフェリンに結合していない鉄の量を示す指標。
正球性貧血: 赤血球のサイズは正常だが、数が不足している状態。