第109回薬剤師国家試験

◆ 問190

25歳男性。身長176cm、体重65kg。20歳の時に1型糖尿病を発症し、1日4回のインスリン皮下注射と血糖自己測定によるインスリン強化療法を行ってきた。最近の血液検査でHbA1c値が7.3%であったためインスリン治療の変更が計画された。
109回問190画像1
インスリン注射量の変更に関して適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 朝食直前のインスリン注射量を増量する。
  • 朝食直前のインスリン注射量を減量する。
  • 昼食直前のインスリン注射量を増量する。
  • 夕食直前のインスリン注射量を増量する。
  • 就寝前のインスリン注射量を減量する。

◆ 問190

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


正解は、
[昼食直前のインスリン注射量を増量する。]
[夕食直前のインスリン注射量を増量する。]
の2つです。
昼食直前と夕食直前のインスリン注射量を増量する理由は、食事によって血糖値が上昇することに対応するためです。表を見ると、昼食後・夕食後の血糖値が高い傾向が読み取れます。1型糖尿病の患者さんは、食事に含まれる炭水化物が血糖値を上げるため、食事前にインスリンを投与して血糖値の急激な上昇を防ぎます。

覚えておくべき用語
HbA1c値:ヘモグロビンA1cとも呼ばれ、赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を示す指標です。過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映します。正常な範囲は6.0%未満で、6.5%以上だと糖尿病と診断されることがあります12。HbA1c値が高いと、糖尿病や動脈硬化、アルツハイマー病などのリスクが高まる可能性があります。