第109回薬剤師国家試験
◆ 問193
多発性骨髄腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
T細胞が腫瘍化する。
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腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。
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アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。
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骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。
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脾腫が頻発する。
◆ 問193
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、3
多発性骨髄腫(MM)に関する記述で正しいのは以下の選択肢です。
[腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。]
正解です。多発性骨髄腫の患者さんでは、腫瘍細胞が単クローン性の免疫グロブリン、すなわちMタンパク質を産生することが特徴的です。これは血液検査で高いレベルで検出されることが多く、診断の重要な手がかりとなります。
[アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。]
正解です。多発性骨髄腫において、腫瘍細胞が産生する軽鎖が体内でアミロイドと呼ばれる不溶性のタンパク質に変わり、これが臓器や組織に沈着することで、アミロイドーシスと呼ばれる臓器障害を引き起こすことがあります。
他の選択肢が間違っている理由は以下の通りです:
[T細胞が腫瘍化する。]
誤りです。多発性骨髄腫はB細胞が腫瘍化する病気であり、T細胞は関与しません。
[骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。]
誤りです。フィラデルフィア染色体は慢性骨髄性白血病(CML)に特有の遺伝子異常であり、多発性骨髄腫には見られません。
[脾腫が頻発する。]
誤りです。多発性骨髄腫では脾腫は一般的な症状ではありません。骨の痛みや骨折、腎機能の低下(腎不全)、貧血などが挙げられます。
覚えておくべき用語:
単クローン性免疫グロブリン:多発性骨髄腫において腫瘍細胞が産生する異常な免疫グロブリン。
アミロイドーシス:アミロイドが体内に沈着し、臓器障害を引き起こす状態。