第109回薬剤師国家試験

◆ 問194

ある疾患の予防薬である新薬Xの評価を行うために調査を行ったところ、プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験のデータが得られ、新薬Xの有効性が示されていた(下表)。この結果から算出できる新薬Xの治療必要数(NNT)が20であるとき、表の(A)に入る数値として適切なのはどれか。1つ選べ。
109回問194画像1
  • 10
  • 20
  • 30
  • 40
  • 50

◆ 問194

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


まず絶対リスク減少(ARR)を計算する必要があります。NNTは1/ARRで計算されるため、NNTが20であるとき、ARRは0.05(1/20)です。ARRはコントロールイベント率(CER)と実験イベント率(EER)の差であり、この場合、CERはプラセボ投与群での効果が示された割合、EERは新薬X投与群での効果が示された割合です。
プラセボ投与群では80人中効果が示され、新薬X投与群では800人中(A)人に効果が示されました。CERは80/800 = 0.1、EERは(A)/800となります。ARRを0.05として、以下の方程式を立てることができます。
109回問194画像1

これを解くと、
109回問194画像2
となります。

したがって、(A)に入る数値は[40]です。


覚えておくべき用語:
NNT(治療必要数):1人の患者に対して追加的な悪い結果を防ぐために治療する必要がある患者の数です。
ARR(絶対リスク減少):コントロール群と実験群のイベント発生率の差です。
CER(コントロールイベント率):コントロール群でのイベント発生率です。
EER(実験イベント率):実験群でのイベント発生率です。