第109回薬剤師国家試験

◆問200-201

 52歳男性。会社員。2年前にソフトコンタクトレンズの定期検診で眼圧を測定したところ、平均ベースライン眼圧は右眼16mmHg、左眼18mmHgであったが、両眼で視野狭窄及び欠損があったため、正常眼圧緑内障と診断された。処方1による治療が開始されたが、その後、進行したため3ヶ月前から処方2が追加された。

109回問200-201画像1

 男性が来局した際、薬剤師が点眼液の使用状況を確認したところ、数週間前から処方2の使用が2~3日おきであることがわかった。男性は、処方2の使用直後に不快なべたつきを感じることと、処方1と2の使用の間に待つ時間が長すぎるので処方2の使用を忘れてしまうことを理由として挙げた。

◆ 問200

男性が感じた不快なべたつきの原因の1つに点眼液のゲル化が考えられる。処方2の点眼液が点眼前はゾル状態、点眼後はゲル状態になるのに主に関わる物質はどれか。1つ選べ。
  • メチルセルロース
  • マクロゴール4000
  • クエン酸ナトリウム水和物
  • ベンザルコニウム塩化物
  • チモロール

◆ 問201


◆ 問200

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


正解は[メチルセルロース]です。
メチルセルロースは点眼液の粘度を増やすために使用される成分で、液体が目に入った後でゲル化する性質があります。これにより、点眼液が目の表面にとどまりやすくなる効果があります。


他の選択肢について解説します。
[マクロゴール4000]
特徴: 界面活性剤または溶媒として使用されることがあるが、ゲル化する性質はない。


[クエン酸ナトリウム水和物]
特徴: pH調整剤として使用されることが多く、ゲル化する性質はない。


[ベンザルコニウム塩化物]
特徴: 保存料や消毒剤として使用されることがあるが、ゲル化する性質はない。


[チモロール]
特徴: 緑内障の治療薬であり、眼圧を下げる作用がある。

◆ 問201

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


[ソフトコンタクトレンズを装着したまま点眼できる。]
誤りです。多くの点眼薬は、レンズを傷つける可能性がある成分を含んでいるため、ソフトコンタクトレンズを装着したまま点眼することは推奨されません。点眼前にレンズを外し、点眼後には一定時間待ってから再装着する必要があります。

[点眼し忘れた場合は、翌日、朝と夕に点眼する。]
誤りです。点眼を忘れた場合は、次の定期的な点眼時間まで待ち、その時に1回分だけ点眼します。翌日に倍量を点眼することは推奨されません。

[点眼後に一時的に視界がかすんで見えることがある。]
正解です。点眼後、一時的に視界がかすんで見えることがあります。これは点眼液が目に入ったためであり、しばらくすると改善します。

[点眼後、目のまわりについた薬液は、すぐに拭き取るか目を閉じて洗顔する。]
正解です。点眼後、目のまわりについた余分な薬液は拭き取るか、目を閉じて洗顔することで、不快感や目の刺激を軽減できます。

[点眼後にまだべたつきを感じるときは、点眼容器を下に向けキャップをしたまま2~3回振ってから使用すると回避できる。]
誤りです。点眼液のべたつきは、点眼容器を振ることで解消されるものではありません。